作るのは3本だけ。しかも数年効きます ── 採用のYouTube

「本格的な映像が必要」という誤解で、多くの会社がYouTubeを避けています。実際に必要なのは3本で、いずれも数年使えます。

Key figure
27.4% 「業界研究」に使うSNSの1位はYouTubeで27.4%。TikTokの2.4倍。それでも採用で整えている企業は少ない。理由は「作るのが大変」という誤解。
出典:出典1
こんな状態なら、この記事です
  • 採用動画を作りたいが、何本必要で何を撮るのかが決まっていない
  • 内定を出したあと、家族に反対されて辞退された
  • 面接で毎回同じ会社説明をしていて、聞きたいことを聞く時間がない

3つとも、3本の動画で同時に解けます。順番も含めて書きます。

01
YouTubeが採用のどの段階で効くのかが分かる
02
作るべき3本と、それぞれの尺・構成が決まる
03
ショート動画との使い分けが整理できる
結論だけ先に

業界研究に使われるSNSの1位はYouTubeで27.4%。にもかかわらず採用で使う企業が少ないのは「本格的な映像が必要」という誤解があるからだ。実際に必要なのは3本で、いずれも数年使える。YouTubeの強みはストック性と検索性で、社名で検索した人・面接前に確かめたい人・家族に見せたい人に効く。ショートは知らせる役、長尺は確かめさせる役として分担する。

  • 業界研究で最も見られているのはYouTube(27.4%)。TikTokは11.3%
  • YouTubeは拡散ではなくストック。作った1本が数年効く
  • 必要なのは3本。会社紹介・1日の流れ・社員の話
  • 面接前と家族への説明に効く。これは他のSNSにはできない

採用SNSの話題はTikTokとInstagramに集まります。ところが、求職者が業界研究にいちばん使っているのはYouTubeです。

「業界研究」に使われているSNSの割合
YouTube27.4%
Instagram25.5%
TikTok11.3%
LINE11.3%

TikTokの2.4倍がYouTubeを使っています。それでも採用で整えている企業は少ない。

出典1。棒の長さは実数値に対応しています。

避けられている理由はひとつです。「本格的な映像を作らないといけない」という誤解です。

実際に必要なのは3本で、しかもこの3本は内容が古くなりにくいため、数年使えます。

YouTubeは拡散ではなくストック

まずここを整理します。他のSNSと性質が違います。

性質 効く場面
TikTok 拡散。探していない人に届く 知ってもらう
Instagram 検索と確認。1回の訪問で判断される 調べられる
YouTube ストックと検索。過去の動画が効き続ける 確かめられる

YouTubeの動画は、投稿した日ではなく、その後の数年で見られます。 社名で検索されたとき、面接の前日に確かめられるとき、内定後に家族へ説明するとき。全部あとから起きることです。

要点

だから更新頻度は重要ではありません。3本を作り切って置いておけば、数年効きます。毎週投稿するSNSと同じ運用を考えると、負担が大きすぎて始められなくなります。

作るのは3本だけ

会社紹介(2〜3分)
何をしている会社か、誰に何を提供しているか、これからどこへ向かうか。求職者は「この会社が続くか」を見ています。3年後の話を経営者本人の言葉で入れてください。ナレーションより本人の声のほうが効きます。
1日の流れ(3〜5分)
出勤から退勤まで、実際の時間の流れで見せます。休憩や移動、片付けまで入れてください。良い場面だけを繋ぐと、入社後に「話が違う」になります。 求職者が見たいのは、自分の1日がどうなるかです。
社員の話(3〜5分・2〜3名)
入社1年目、3年目、そして管理職。この3層を1本に入れると、キャリアの見通しが伝わります。1人あたり1分半で足ります。台本は渡さず、質問だけを事前に伝えてください。

この3本は内容が古くなりにくいのが利点です。募集要項が変わっても使えます。年に1回、社員の話だけ差し替えれば維持できます。

注意

最初に手を出しがちで、最も効かないのが「イメージ映像」です。音楽に合わせて職場の綺麗な映像を繋いだ1〜2分のもの。見た目は整いますが、求職者が知りたいことが1つも入っていません。作るなら3本の後です。

3本で足りる。しかも数年使える

3

作るのはこれだけ。会社紹介・1日の流れ・社員の話

carasu の整理

2〜5

1本の尺。これ以上長くしても見られない

5〜10

長尺1本から切り出せるショートの本数

撮り方の要点は「音」

自社で撮る場合、映像の粗さは許されます。許されないのは音です。

自社撮影で守る5つ
  • 外付けマイクを使う(スマートフォン内蔵マイクは周囲の音を拾いすぎる)
  • 空調・冷蔵庫・厨房機器の音が入る場所を避ける。または止めてから録る
  • 三脚を使い、手持ちで撮らない(見ている側が疲れる)
  • 窓を背にしない(逆光で顔が暗くなる)
  • 1カット30秒以上まわす。編集で足りなくなるほうが困る

インタビューは、質問を事前に渡して回答は用意させないのが要点です。読み上げになると、そこだけ信用されなくなります。

ショートとの分担

YouTubeにもショートがありますが、役割は長尺と分けてください。

長尺=確かめさせる
  • 社名で検索した人が見る
  • 面接前・内定後に見られる
  • 家族に見せる材料になる
  • 数年使える
ショート=知らせる
  • 知らない人に届く
  • 長尺から切り出して作れる
  • 単体では判断材料にならない
  • 寿命が短い

作るのは長尺が先です。 ショートで興味を持った人が確かめに来たときに、着地する場所がないと離脱します。しかも長尺1本から、ショートは5〜10本切り出せます。逆はできません。

「家族に見せられる」という価値

これはYouTubeにしかできないことなので、独立して書きます。

内定を受けるかどうかの会議は、家庭で開かれます。
そこに出席できるのは、URLで送れる動画だけです。

とくに20代前半の入社や、地方から都市部への就職では、家族の納得が意思決定に入ります。求人票のURLは送りにくく、Instagramのアカウントは家族が見慣れていません。3分の動画1本は、この場面で最も強い材料になります。 内定通知に添えて送るだけで、辞退が減ります。

まとめ

  • 業界研究で最も見られているのはYouTube(27.4%)。TikTokの2.4倍
  • 性質はストック。作った1本が数年効くので、更新頻度は重要ではない
  • 作るのは3本。会社紹介・1日の流れ・社員の話
  • 自社撮影で最重要なのは音。映像の粗さは許される
  • 長尺を先に作る。ショートは長尺から切り出せる
  • 内定後に家族へ送れる。これは他のSNSにできない

費用の目安と外注の切り分けは、関連記事にまとめています。

よくある質問

YouTubeは応募につながりますか。
直接の応募獲得より、応募後の辞退防止と面接の質に効きます。求職者は面接の前日に社名で検索し、動画があれば見ます。そこで働く様子と人の雰囲気が分かっていると、面接での説明時間が短くなり、内容の濃い会話になります。加えて、家族に説明する材料としても使われます。これは他のSNSでは代替できません。
何本作ればいいですか。
3本です。「会社紹介(2〜3分)」「1日の流れ(3〜5分)」「社員の話(3〜5分・複数人)」。この3本は内容が古くなりにくいため、数年使えます。本数を増やすより、この3本の質を上げてください。更新頻度はYouTubeでは重要ではありません。
ショート動画と長尺はどちらを作るべきですか。
役割が違います。ショートは知らない人に届ける役、長尺は興味を持った人に確かめさせる役です。長尺を先に作ってください。ショートで興味を持った人が確かめに来たときに、着地する場所がないと離脱します。長尺1本から、ショートは何本も切り出せます。
自社で撮れますか。外注すべきですか。
1日の流れと社員の話は自社で撮れます。スマートフォンと三脚、外付けマイクがあれば足ります。音が最重要で、映像の粗さより音の悪さのほうが視聴を切られます。会社紹介の1本だけは外注を検討してください。ここは最初に見られる1本で、品質がそのまま会社の印象になります。
Sources 出典
  1. 業界研究に使うSNSの利用率(トガル株式会社) https://togaru.co.jp/contents/2662/
  2. Z世代のSNS利用率(サイバーエージェント次世代生活研究所) https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=32772
  3. 採用動画の費用相場(VIDEO SQUARE/むびるプラス) https://crevo.jp/video-square/adoption/recruit-movie-cost/(二次情報。制作会社が運営するメディアの相場情報)
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