3か月目に採用単価を聞かれ、答えられず、そこで止まります

止まる原因は、成果を説明できないことです。そして説明できない理由は、担当者の力量ではなく指標の選び方にあります。

Key figure
6 測るのは6個だけ。遷移率・面談での言及・経路別応募・承諾率・採用単価・3か月在籍率。フォロワー数と再生数は成果指標に置かない。
出典:carasu の整理
こんな状態なら、この記事です
  • 3か月目の報告で何を出せばいいか、決めていない
  • フォロワー数と再生数しか、手元に数字がない
  • 集計に時間がかかって、報告そのものが後回しになっている

いちばん効く数字は、面談の冒頭で聞いて手で記録するだけで取れます。

01
測る指標が3層に整理され、報告する順番が決まる
02
集計が手作業でも続く形が手に入る
03
役員会に出す1枚のひな形が使える
結論だけ先に

採用SNSが止まるのは、成果を説明できないからだ。原因は、フォロワー数と再生数しか指標を持っていないこと。KPIは行動(自分たちが動いた量)・先行(求職者が動いた兆し)・成果(採用の数字)の3層に分け、報告する期間を分ける。最も効く指標は面談での「見ました」の件数で、集計は手作業でよい。測らないものを先に決めるのが、続ける条件になる。

  • KPIは3層。行動・先行・成果で分け、報告する期間も分ける
  • 最も経営層に効くのは面談での「見ました」の件数。手作業で足りる
  • 測らないものを先に決める。フォロワー数と再生数は成果ではない
  • 指標は6個以内。増やすと誰も見なくなる

採用SNSが止まる原因を1つだけ挙げるなら、成果を説明できないことです。

説明できないと、忙しくなった月に優先度が下がり、下がったまま戻りません。そして説明できない理由は、担当者の力量ではなく指標の選び方にあります。

もっとも典型的なのがこの場面です。

3か月目に起きること

役員「で、採用単価は下がったの?」
担当「……まだ数字は出ていません」
この会話のあと、施策は静かに止まります。正しくやっていても止まります。

防ぎ方は1つで、報告する数字を期間ごとに分けて、始める前に宣言しておくことです。

KPIは3層に分ける

行動指標 ―― 自分たちが動いた量(1か月で動く)
投稿本数、撮影回数、協力してくれた部署の数。これは成果ではありません。 ただし止まりかけを最も早く検知できるので、内部管理として持ちます。役員会には出しません。
先行指標 ―― 求職者が動いた兆し(1〜3か月で動く)
プロフィールから求人ページへの遷移率、面談で「見ました」と言われた件数、求人ページの直帰率。3か月目の報告はここで行います。
成果指標 ―― 採用の数字(6〜12か月で動く)
経路別の応募件数、採用単価、内定承諾率、辞退率、入社後3か月の在籍率。12か月目の報告はここで行います。

報告する期間を分ける

期間 報告する層 具体例
毎月(社内) 行動 投稿4本・撮影1回・協力部署3
3か月 先行 遷移率2.1%・面談での言及6件
6か月 先行+一部成果 応募経路としてSNS4件・辞退率が2ポイント改善
12か月 成果 採用単価が◯万円改善・3か月在籍率が◯%
注意

この表を始める前に決裁者と共有してください。あとから出すと「言い訳」に聞こえます。3か月目に採用単価を聞かれて答えられないのは正常なのですが、それを事前に宣言していないと、正しくやっているのに止められます。

この記事で決める3つの数字

3

行動・先行・成果。動く速さが違う

carasu の整理

6

測る指標の上限。増やすと誰も見ない

1

もっとも効くのは面談での言及。手作業で取れる

最も効く指標は、手作業で取れる

意外に思われますが、経営層にいちばん伝わるのはこれです。

面談の冒頭で「当社をどこで知りましたか」と聞き、記録する。
これだけで、最も説得力のある指標が手に入ります。

ツールも連携も不要です。そして、この数字は反論されません。 実際の候補者が口で言ったことだからです。

記録の実務(面談ごとに30秒)
  • 面談の冒頭で「当社をどこで知りましたか」と必ず聞く
  • 回答をそのまま書く(媒体名・SNS名・紹介者名)
  • 「SNSを見た」場合は、どの媒体かまで聞く
  • 月末に集計する(表計算ソフト1枚で足りる)
  • 複数回答を許す(媒体で見つけてSNSで確認した、が最も多い)

最後の項目が重要です。 実際には「求人媒体で見つけて、SNSで確かめた」という経路がもっとも多い。単一回答にすると、SNSの貢献が見えなくなります。

測らないものを先に決める

続ける条件は、指標を増やさないことです。6個以内にしてください。

測る(6個)
  • プロフィール→求人ページの遷移率
  • 面談での言及件数(媒体別)
  • 経路別の応募件数
  • 内定承諾率
  • 採用単価(在籍月あたりでも見る)
  • 入社後3か月の在籍率
測らない
  • フォロワー数
  • いいね数・再生数の合計
  • 投稿本数(内部管理のみ)
  • 他社とのフォロワー比較
  • 投稿ごとの詳細な数値
  • PVの合計
指標が動くまでの速さ
行動指標1か月
先行指標1〜3か月
成果指標6〜12か月

棒が長いほど早く動きます。早く動く指標は説明力が弱く、遅く動く指標は説明力が強い。

※概念図

## 役員会に出す1枚

毎回同じ形にしてください。形を変えると、比較されなくなります。

【期間】2026年◯月〜◯月(3か月目の報告)
【今期の報告対象】先行指標(成果指標は12か月目に報告します)
【数字】プロフィール→求人ページ 遷移率 2.1%(前期 1.4%)/面談での言及 6件(前期 1件)
【投資】上限66万円のうち、消化 18万円
【判断のお願い】効いている型(手仕事のクローズアップ)に、残枠から月2万円を追加したい
【次回報告】6か月目に、応募経路と辞退率を報告します 役員会報告の型

「判断のお願い」を必ず1つ入れてください。 報告だけの資料は読まれなくなります。判断を求めると、決裁者が施策に関与し、継続の合意が取りやすくなります。

まとめ

  • 止まる原因は成果を説明できないこと。原因は指標の選び方
  • KPIは3層。行動(1か月)・先行(1〜3か月)・成果(6〜12か月)
  • 報告する期間の分け方を、始める前に決裁者と共有する
  • 最も効くのは面談での「見ました」の件数。手作業で足りる
  • 経路は複数回答で取る。「媒体で見つけてSNSで確認」が最多
  • 指標は6個以内。測らないものを先に決める
  • 役員会の1枚には「判断のお願い」を必ず入れる

フォロワー数を外す理由は、関連記事にまとめています。

よくある質問

採用SNSのKPIには何を置けばいいですか。
3層で置いてください。行動指標(投稿本数・撮影回数)は自分たちが動いた量、先行指標(プロフィールから求人ページへの遷移・面談での言及)は求職者が動いた兆し、成果指標(応募経路別の件数・採用単価・辞退率・3か月在籍率)は採用の数字です。この順に遅れて動くので、報告する期間も分けてください。
再生数やフォロワー数は見なくていいのですか。
参考値として記録するのは構いませんが、成果指標には置かないでください。求職者は企業アカウントをフォローせずに見るため、フォロワー数は見られた量を表しません。再生数も、採用と関係のない層に届いて伸びることがあります。1万回再生で応募ゼロの投稿より、800回で1人採用できた投稿のほうが正しい。
集計の手間をかけられません。
手作業で取れるものだけに絞ってください。最も効く指標である「面談で当社をどこで知ったか」は、面談の冒頭で聞いて記録するだけです。ツールも連携も不要です。逆に、投稿ごとの数値を細かく集計する運用は必ず続かなくなります。指標は6個以内にしてください。
3か月で成果が出ないと言われます。
3か月で成果指標が動くことはほとんどありません。だから最初に「3か月で報告するのは先行指標です」と宣言しておく必要があります。宣言せずに始めると、3か月目に採用単価を聞かれて答えられず、正しくやっているのに止まります。約束する数字を期間で分けるのが唯一の対策です。
Sources 出典
  1. 就職活動におけるInstagram活用の実態(トガル株式会社) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000030.000040089.html
  2. 採用単価の平均(ONE/Wantedly) https://one-group.jp/humanresource/use/recruitment_cost.html(二次情報)
  3. 内定辞退率の動向(マイナビキャリアリサーチLab) https://career-research.mynavi.jp/column/20260316_108862/
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