フォロワーは増えません。それでも採用は決まります
3か月やってフォロワーが200人。この数字を報告すると、たいてい「で、意味あるの?」と言われます。答えは「意味はあります。ただしフォロワーでは測れません」です。
- 3か月やってフォロワーが200人。上司に何を報告すればいいか分からない
- 投稿しているのに応募が増えないので、意味がないのではと思い始めている
- 他社のフォロワー数と並べて比べられ、答えに困っている
3つとも、測る指標を替えるだけで消えます。やり方が間違っているわけではありません。
求職者は企業アカウントをフォローせず、見るだけで判断している。この前提を受け入れると、フォロワー数は成果指標として使えなくなる。代わりに置くのは、プロフィールから求人ページへ進んだ割合、応募経路として名前が挙がった数、そして採用単価だ。増えないフォロワーを追うのをやめると、担当者の仕事は「集める」から「整える」に変わる。
- フォローされないまま見られているので、フォロワー数は見られた量を表さない
- 点検するのはプロフィール・固定表示・直近9枚。ここで会社が伝わるかどうか
- 置き換える指標は、遷移率・応募経路・採用単価・辞退率の4つで足りる
- 上司には「フォロワーが増えないこと」を先に説明しておく
採用SNSの報告資料で、いちばんよく載っている数字がフォロワー数です。そして、いちばん役に立たない数字でもあります。
理由は単純で、求職者は企業アカウントをフォローしないからです。
9枚
プロフィールを開いて最初に見える投稿数
実務上の目安
25.5%
「業界研究」にInstagramを使う割合
出典1
71.6%
Z世代のInstagram利用率
出典2
フォロワー数は、この9枚の出来を表しません。だから成果指標として使えません。
つまり、あなたのアカウントは「購読者ゼロのまま、何百人にも見られている」状態です。この状態を正しく報告できるかどうかが、施策が続くかどうかを決めます。
「見る就活」とは何か
学生の多くは、企業の公式アカウントを見に来る。だがフォローはしない。Instagram は、気軽に企業を調べるための道具として使われている。
フォローしない理由は想像がつく。自分の就職活動をタイムラインに出したくない。友人に見られたくない。そもそも、そのアカウントを継続して読みたいわけではない。調べたいだけだ。
フォローは「これからも読みたい」の意思表示です。就職活動中の求職者が求めているのは購読ではなく、いま判断するための材料です。だからフォローされないまま、見られます。
この前提を受け入れると、指標が壊れる。フォロワー数は「見られた量」ではなくなる。増えないのが普通で、増えないまま採用が決まる。
だから見る場所が変わる
フォローされない前提だと、求職者が見るのは1度きりの訪問で見える範囲だけになる。具体的にはこの3つだ。
- プロフィール(何の会社か、どこにあるか、どんな人を募集しているか)
- 固定表示(最初に目に入る数本)
- 直近の数本(いま何をしている会社なのか)
ここで判断されて終わる。3か月前の力の入った投稿は、見られない。
投稿を増やす前に、プロフィールと直近の数本を作り切ってください。ここが整っていない状態で本数を積むのは、入口に何も書いていない店の奥に商品を並べる作業です。
点検の基準
自社のアカウントを開いて、次を上から確認してください。社名を知らない人になったつもりで見るのが条件です。
| 見る場所 | 通っている状態 |
|---|---|
| プロフィール1行目 | 何の会社かが読まなくても分かる |
| プロフィール本文 | 勤務地・募集職種・応募先が書いてある |
| リンク | 求人ページに1タップで着く(トップページに送らない) |
| 固定表示 | 「どんな人が働いているか」が1本で分かる |
| 直近9枚 | 同じ会社の投稿に見える(トーンがそろっている) |
| 直近の投稿日 | 1か月以内である |
最後の行が意外に重い。直近の投稿が半年前だと、求職者は「この会社は止まっているのかもしれない」と読む。 本数の話ではなく、動いている証拠の話だ。
置き換える指標は4つで足りる
フォロワー数を外した代わりに、次の4つを置きます。多くしすぎると誰も見なくなるので、4つで止めます。
- プロフィールから求人ページへ進んだ割合
- 面談で「SNSを見ました」と言われた件数
- 選考中・内定後の辞退率
- 1人採るのにかかった金額(採用単価)
- フォロワー数
- いいね数の合計
- 投稿本数
- 他社とのフォロワー比較
このうちもっとも効くのは2番目です。集計は手作業でかまいません。面談の冒頭で「当社をどこで知りましたか」と必ず聞き、記録するだけです。経営層に対しては、この数字がいちばん伝わります。
4つ
置き換える指標の数。これ以上増やすと誰も見ない
carasu の整理
1つ
もっとも効くのは「面談でSNSを見たと言われた件数」
同
0円
集計にかかる費用(面談の冒頭で聞いて手で記録するだけ)
同
上司への説明を、先にしておく
指標を置き換えるとき、順番に1つコツがあります。「フォロワーは増えません」を先に伝えておくこと。
これを言わずに始めると、3か月後に「フォロワーが増えていないじゃないか」と言われ、正しくやっているのに引き返すことになります。開始時にこう説明しておきます。
だからフォロワーは増えません。増えないまま、応募と定着が動きます。
そのうえで、3か月後に報告する数字を先に約束しておく。前章の4つです。ここまでやると、増えないフォロワー数は問題ではなくなります。
まとめ
- 求職者はフォローせずに見る。だからフォロワー数は成果を表さない
- 見られるのはプロフィール・固定表示・直近数本の3か所だけ
- 置き換える指標は、遷移率・応募経路の言及・辞退率・採用単価の4つ
- 「フォロワーは増えない」を先に共有しておくと、途中で止まらない
よくある質問
フォロワー数を全く見なくていいのですか。
では何を見れば「効いている」と分かりますか。
投稿は何本必要ですか。
- 就職活動におけるInstagram活用の実態調査(トガル株式会社) https://prtimes.jp/
- Z世代のSNS利用実態(サイバーエージェント次世代生活研究所) https://www.cyberagent.co.jp/news/