フォロワーは増えません。それでも採用は決まります

3か月やってフォロワーが200人。この数字を報告すると、たいてい「で、意味あるの?」と言われます。答えは「意味はあります。ただしフォロワーでは測れません」です。

Key figure
9 求職者がプロフィールを開いて最初に目にする投稿の枚数。3か月前の力の入った投稿は、ここに入りません。フォロワー数はこの9枚の出来を表しません。
出典:Instagramの表示を前提にした実務上の目安。公開時点の表示で確認してください
こんな状態なら、この記事です
  • 3か月やってフォロワーが200人。上司に何を報告すればいいか分からない
  • 投稿しているのに応募が増えないので、意味がないのではと思い始めている
  • 他社のフォロワー数と並べて比べられ、答えに困っている

3つとも、測る指標を替えるだけで消えます。やり方が間違っているわけではありません。

01
フォロワー数の代わりに置く指標が決まる
02
プロフィールと直近数本の点検基準が手に入る
03
「増えていないのに効いている」を説明できるようになる
結論だけ先に

求職者は企業アカウントをフォローせず、見るだけで判断している。この前提を受け入れると、フォロワー数は成果指標として使えなくなる。代わりに置くのは、プロフィールから求人ページへ進んだ割合、応募経路として名前が挙がった数、そして採用単価だ。増えないフォロワーを追うのをやめると、担当者の仕事は「集める」から「整える」に変わる。

  • フォローされないまま見られているので、フォロワー数は見られた量を表さない
  • 点検するのはプロフィール・固定表示・直近9枚。ここで会社が伝わるかどうか
  • 置き換える指標は、遷移率・応募経路・採用単価・辞退率の4つで足りる
  • 上司には「フォロワーが増えないこと」を先に説明しておく

採用SNSの報告資料で、いちばんよく載っている数字がフォロワー数です。そして、いちばん役に立たない数字でもあります。

理由は単純で、求職者は企業アカウントをフォローしないからです。

会社を調べるのにInstagramは使われている。ただし入口で見えるのは9枚だけ

9

プロフィールを開いて最初に見える投稿数

実務上の目安

25.5%

「業界研究」にInstagramを使う割合

出典1

71.6%

Z世代のInstagram利用率

出典2

フォロワー数は、この9枚の出来を表しません。だから成果指標として使えません。

つまり、あなたのアカウントは「購読者ゼロのまま、何百人にも見られている」状態です。この状態を正しく報告できるかどうかが、施策が続くかどうかを決めます。

「見る就活」とは何か

学生の多くは、企業の公式アカウントを見に来る。だがフォローはしない。Instagram は、気軽に企業を調べるための道具として使われている。

フォローしない理由は想像がつく。自分の就職活動をタイムラインに出したくない。友人に見られたくない。そもそも、そのアカウントを継続して読みたいわけではない。調べたいだけだ。

要点

フォローは「これからも読みたい」の意思表示です。就職活動中の求職者が求めているのは購読ではなく、いま判断するための材料です。だからフォローされないまま、見られます。

この前提を受け入れると、指標が壊れる。フォロワー数は「見られた量」ではなくなる。増えないのが普通で、増えないまま採用が決まる。

だから見る場所が変わる

フォローされない前提だと、求職者が見るのは1度きりの訪問で見える範囲だけになる。具体的にはこの3つだ。

  1. プロフィール(何の会社か、どこにあるか、どんな人を募集しているか)
  2. 固定表示(最初に目に入る数本)
  3. 直近の数本(いま何をしている会社なのか)

ここで判断されて終わる。3か月前の力の入った投稿は、見られない。

注意

投稿を増やす前に、プロフィールと直近の数本を作り切ってください。ここが整っていない状態で本数を積むのは、入口に何も書いていない店の奥に商品を並べる作業です。

点検の基準

自社のアカウントを開いて、次を上から確認してください。社名を知らない人になったつもりで見るのが条件です。

見る場所 通っている状態
プロフィール1行目 何の会社かが読まなくても分かる
プロフィール本文 勤務地・募集職種・応募先が書いてある
リンク 求人ページに1タップで着く(トップページに送らない)
固定表示 「どんな人が働いているか」が1本で分かる
直近9枚 同じ会社の投稿に見える(トーンがそろっている)
直近の投稿日 1か月以内である

最後の行が意外に重い。直近の投稿が半年前だと、求職者は「この会社は止まっているのかもしれない」と読む。 本数の話ではなく、動いている証拠の話だ。

置き換える指標は4つで足りる

フォロワー数を外した代わりに、次の4つを置きます。多くしすぎると誰も見なくなるので、4つで止めます。

置く指標
  • プロフィールから求人ページへ進んだ割合
  • 面談で「SNSを見ました」と言われた件数
  • 選考中・内定後の辞退率
  • 1人採るのにかかった金額(採用単価)
外す指標
  • フォロワー数
  • いいね数の合計
  • 投稿本数
  • 他社とのフォロワー比較

このうちもっとも効くのは2番目です。集計は手作業でかまいません。面談の冒頭で「当社をどこで知りましたか」と必ず聞き、記録するだけです。経営層に対しては、この数字がいちばん伝わります。

置き換えたあとに見る数字

4

置き換える指標の数。これ以上増やすと誰も見ない

carasu の整理

1

もっとも効くのは「面談でSNSを見たと言われた件数」

0

集計にかかる費用(面談の冒頭で聞いて手で記録するだけ)

上司への説明を、先にしておく

指標を置き換えるとき、順番に1つコツがあります。「フォロワーは増えません」を先に伝えておくこと。

これを言わずに始めると、3か月後に「フォロワーが増えていないじゃないか」と言われ、正しくやっているのに引き返すことになります。開始時にこう説明しておきます。

求職者はフォローせずに見ています。
だからフォロワーは増えません。増えないまま、応募と定着が動きます。

そのうえで、3か月後に報告する数字を先に約束しておく。前章の4つです。ここまでやると、増えないフォロワー数は問題ではなくなります。

まとめ

  • 求職者はフォローせずに見る。だからフォロワー数は成果を表さない
  • 見られるのはプロフィール・固定表示・直近数本の3か所だけ
  • 置き換える指標は、遷移率・応募経路の言及・辞退率・採用単価の4つ
  • 「フォロワーは増えない」を先に共有しておくと、途中で止まらない

よくある質問

フォロワー数を全く見なくていいのですか。
参考値としては見てよいですが、成果指標(KPI)には置かないでください。求職者がフォローせずに閲覧しているため、フォロワーが増えないまま採用が決まることが普通に起こります。成果として報告する数字は、応募経路として名前が挙がった数や採用単価に置き換えてください。
では何を見れば「効いている」と分かりますか。
プロフィールから求人ページへ進んだ割合、面談で「SNSを見ました」と言われた件数、選考中の辞退率、1人採るのにかかった金額の4つです。とくに面談での言及数は、集計が手作業でも取れるうえに、経営層に最も伝わります。面談の冒頭で必ず聞く運用にしてください。
投稿は何本必要ですか。
本数より、最初に見られる場所が整っているかが先です。求職者はプロフィールと直近の数本で判断します。整っていない状態で本数を増やしても、判断材料が増えないため効きません。まずプロフィールと固定表示、直近9枚を作り切ってください。
Sources 出典
  1. 就職活動におけるInstagram活用の実態調査(トガル株式会社) https://prtimes.jp/
  2. Z世代のSNS利用実態(サイバーエージェント次世代生活研究所) https://www.cyberagent.co.jp/news/
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