3か月で止まるのは、1人に4役を乗せているから
採用SNSでいちばん多い失敗は炎上ではありません。止まることです。そして原因を「担当者のやる気」に置くと、人を替えてもまた止まります。
- 最初の1か月は出せたが、2か月目から投稿の間隔が空いてきた
- 毎回「次は何を撮るか」の会議から始まっている
- 現場に撮影を頼んでも、やわらかく断られる
3つとも、担当者の能力ではなく仕事の割り方の問題です。
採用SNSの最頻の失敗は炎上ではなく停止だ。原因は担当者の意欲ではなく、1人が企画・撮影・編集・判断を全部持つ構造にある。解き方は3つ。役割を「決める/集める/作る」に分割する、ネタを型として先に15個決めておく、撮影を月1回のまとめ撮りに集約する。現場への依頼は「協力してください」ではなく、日時・場所・所要時間・撮る本数を指定した形にすると断られない。
- 止まるのは意欲の問題ではなく、1人に4役が乗っている構造の問題
- 役割を決める/集める/作るに3分割する。編集は外に出してよい
- ネタは毎回考えない。型を15個決めて回す
- 撮影は月1回まとめ撮り。1回で1か月分を確保する
採用SNSでいちばん多い失敗は、炎上ではありません。止まることです。
3か月目に間隔が空き、半年で更新が消える。そのアカウントは、求職者から見ると「この会社は動いていないのかもしれない」という材料になります。何もないより悪い状態です。
そして止まった原因を「担当者のやる気」に置くと、解決策が「頑張る」になります。人を替えても、同じ場所でまた止まります。
原因は構造です。順に分解します。
止まるのは、1人に4役が乗っているから
投稿1本を出すまでに必要な仕事を分解します。
編集が最も重い。
※サンプルデータ。運用上の目安であり調査値ではありません
これを兼任1名が全部持つと、次の3つが順番に起きます。
| 症状 | 何が起きているか |
|---|---|
| 属人化 | その人が忙しい週は投稿が止まる。休むと完全に止まる |
| ネタ切れ | 毎回ゼロから考えているので、10本目で尽きる |
| 判断待ち | 「これは出していいのか」で確認が発生し、返答が来ないまま流れる |
止まる原因を「担当者の意欲」に置くと、解決策が「頑張る」になり、必ずまた止まります。3つとも構造の問題なので、構造で解いてください。人を替えても直りません。
解き方1:役割を3つに分ける
専任を置く必要はありません。分けるだけで動きます。
逆にやってはいけないのは、企画と現場調整を外注することです。何を撮るべきかと、誰に頼めるかは社内にしか分かりません。ここを外に出すと、当たり障りのない内容になり、社員が「うちの会社の話じゃない」と感じて協力が止まります。
解き方2:ネタは毎回考えない。型を15個決める
「ネタ切れ」の正体は、素材がないことではありません。毎回ゼロから考えていることです。 型を決めて上から回してください。1つの型は繰り返し使えます。
| # | ネタの型 | なぜ効くか |
|---|---|---|
| 1 | 1日の流れ(出勤〜退勤) | 求職者が最も知りたい。時間の使い方が分かる |
| 2 | 入社1年目が任されている仕事 | 「自分が入ったらどうなるか」に直結 |
| 3 | よく聞かれる質問への回答 | 面接で毎回説明していることがそのまま使える |
| 4 | 道具・設備・作業環境 | 現場職では条件そのもの。撮りやすい |
| 5 | 未経験から入った人の最初の3か月 | 応募の障壁を直接下げる |
| 6 | 先輩と後輩の関係が分かる場面 | 人間関係は求人票に書けない情報 |
| 7 | 繁忙期のリアル(都合の悪いことを含む) | 辞退と早期離職を減らす |
| 8 | 社内の言葉・専門用語の解説 | 業界の理解が浅い層に届く |
| 9 | 手仕事・技術のクローズアップ | 音と手元だけで成立する。顔出し不要 |
| 10 | 制服・身だしなみのルール | 検索される割に、どこにも書かれていない |
| 11 | 休憩・まかない・福利厚生の実際 | 条件面の裏取りとして見られる |
| 12 | 評価・昇給の考え方(数字は出さない) | 長く働けるかの判断材料 |
| 13 | 入社を決めた理由(本人の言葉) | 説得力が最も高い |
| 14 | 辞めた人が言っていたこと(改善したこと) | 誠実さが伝わる。他社が絶対にやらない |
| 15 | 会社が今やろうとしていること | 経営の言葉。ミスマッチを減らす |
9番は顔出しが難しい業種の突破口です。 手元・道具・音だけで、働く様子は十分に伝わります。出演の同意を取る負担がなく、続けやすい型でもあります。
- 上の15個を印刷して、自社で撮れるものに丸をつける
- 丸をつけた型に、実名の担当者と場所を書き込む
- 12か月分のカレンダーに割り当てる(週1本なら48本=各型を3〜4回使う)
- 撮れないと分かった型は消す。無理に埋めない
- この1枚を、決める人・集める人・作る人の全員に配る
これで「今月何を撮るか」の会議が消えます。
解き方3:撮影は月1回のまとめ撮り
週1本のために週1回現場に行くと、調整コストで潰れます。月1回、半日で1か月分を撮ってください。
| 時間 | やること |
|---|---|
| 0:00〜0:15 | その日撮る4本の内容を口頭で共有(台本は作らない) |
| 0:15〜1:30 | 撮影。1本あたり15分以内。撮り直しは1回まで |
| 1:30〜2:00 | 素材をまとめて編集担当へ渡す |
撮り直しを1回に限るのが要点です。完成度を上げるほど、現場の負担が上がり、次から断られます。 採用SNSに必要なのは完成度ではなく、実際の様子です。
15分
現場の拘束時間(月1回のまとめ撮り)
carasu の整理
1回
撮り直しの上限。完成度を上げると次から断られる
同
4本
1回の撮影で確保する本数(=1か月分)
同
現場に断られない依頼文
「協力してください」は、判断と工数を相手に渡す言い方なので断られます。指定してください。
内容は「1日の流れ」「よく聞かれる質問への回答」の2種類で、台本はありません。普段どおりに作業しているところを撮ります。
顧客が写る場所では撮りません。出演は◯◯さんにお願いしたいのですが、難しければ手元だけでも成立します。
編集はこちらで行い、公開前に必ずご本人に確認いただきます。 現場への依頼文の型
含めているのは5つです。日時・場所・所要時間・本数・確認の約束。 このうち「所要時間」と「公開前に本人が確認できること」が、承諾率をいちばん上げます。
いつ終わるか分からないことと、勝手に公開されることが嫌なのです。
まとめ
- 止まるのは意欲ではなく、1人に4役が乗っている構造のせい
- 役割を「決める/集める/作る」に3分割する。編集は外に出す
- 企画と現場調整は外注しない。ここは社内にしか分からない
- ネタは型15個を回す。毎回考えるのをやめる
- 撮影は月1回まとめ撮り。撮り直しは1回まで
- 依頼は日時・場所・所要時間・本数・確認の約束を指定する
続く体制ができたあとに何を測るかは、柱記事にまとめています。
よくある質問
投稿は週何本必要ですか。
ネタが思いつきません。何から撮ればいいですか。
現場が撮影に協力してくれません。
編集を外注すると費用がかかります。内製すべきですか。
- SNS採用が続かない・ネタ切れ・属人化(リソースクリエイション/inrevo/HR NOTE) https://hrnote.jp/contents/saiyo-sns-matsumoto-20210714/
- 採用課題ランキング(Bellwether/キャリタス 緊急企業調査) https://www.career-tasu.co.jp/press_release/12383/