免許を持っているのに働いていない人が、56.4%います

美容師免許の保有者のうち、美容師として就業していないのは56.4%。ここは競合がほとんどいません。求人媒体では届かないからです。

Key figure
56.4% 美容師免許の保有者のうち美容師として就業していないのは56.4%。新卒は3年未満で42.5%が離職する。第二の母集団は、新卒ではなくこちら側にある。
出典:出典1
こんな状態なら、この記事です
  • 新卒の求人を出しているが、他店との取り合いで採れない
  • 採ってもデビュー前に辞めてしまう
  • スタッフが顔出しを嫌がるので、SNSに手をつけられない

3つ目は問題になりません。美容は手元と工程だけで成立する数少ない業種です。

01
新卒以外に、休眠層という第二の母集団が見えるようになる
02
技術で語る発信の作り方が分かる
03
定着させるために先に伝えるべきことが決まる
結論だけ先に

美容師免許保有者のうち美容師として就業していない割合は56.4%。新卒入社後3年未満での離職は42.5%に達し、勤務未経験のまま免許を持つ人も22.0%いる。この構造は、新卒の採り合いに参加するより「一度離れた人が戻れる状態」を作るほうが合理的であることを示している。技術を主役にした発信は、顔出しを必要とせず、しかも指名がつく人に届く。練習時間・アシスタント期間・給与の仕組みを先に開示する設計を示す。

  • 免許保有者の56.4%が美容師として働いていない。ここが第二の母集団
  • 新卒は3年未満で42.5%が離職。採るより残す設計が先
  • 技術のクローズアップは顔出し不要で、指名がつく層に届く
  • 練習時間・アシスタント期間・給与の仕組みは先に開示する

美容サロンの採用は、他の業種と構造がひとつ違います。免許を持っているのに働いていない人が、半分以上いることです。

新卒の採り合いは最も混んでいる。空いているのは反対側

56.4%

免許を持ちながら美容師として就業していない割合

出典1

42.5%

新卒入社後3年未満での離職

出典1

22.0%

免許を持つが一度も勤務していない割合

出典1

この3つが意味することは、はっきりしています。新卒の採り合いは、いちばん混んでいる場所です。 そして採ったあとに4割が3年以内に抜けます。

いっぽうで、技術を持ったまま業界を離れている人が半数以上いる。こちらは、ほとんど誰も取りに行っていません。

空いているのは新卒ではなく、こちら側
56.4%

美容師免許を持ちながら、美容師として就業していない割合

新卒の採り合いはいちばん混んでいます。いっぽうで技術を持ったまま離れた層は、ほとんど誰も取りに行っていません。

出典1

出典1

復職層に届ける発信は、内容が違う

新卒に向けた発信と、復職層に向けた発信は別物です。混ぜないでください。

新卒・若手に効く
  • アシスタント期間の長さと内容
  • 練習時間(営業時間内か、後か)
  • デビューまでの道筋
  • 先輩との関係が分かる場面
  • 教育の仕組み(誰が教えるか)
復職層に効く
  • 時短・週休の実際
  • ブランクがあっても入れるか
  • 営業時間と終業時刻
  • 子どもの都合で休めるか
  • 指名がゼロから始まる場合の待遇

復職層の判断材料は、技術ではありません。 以前辞めた理由が、このサロンでは解消されているかどうかです。だから発信すべきなのは、練習時間・終業時刻・休みの取り方といった条件面の実際になります。

注意

復職層に「成長できる環境です」と発信しても届きません。一度離れた理由の多くは、成長機会の不足ではなく生活との両立です。ここを取り違えると、時間と費用を使って誰にも届かない発信になります。

技術で語る ―― 顔出しは要らない

美容は、顔を映さずに成立する数少ない業種です。これは採用発信において大きな利点です。

手元のクローズアップ(15〜30秒)
カットの手の動き、コームの持ち替え、薬剤の塗り分け。技術志向の求職者はここを見ます。音は環境音のみでよく、音楽は不要です。
仕上がりと、そこに至る工程
完成写真だけでは技術が伝わりません。工程を3〜4カットで見せると、そのサロンの水準が伝わります。求職者は仕上がりよりも工程を見ています。
スタッフが使っている言葉をそのまま出す
専門用語を平易に言い換えないでください。技術者向けの発信では、言葉の精度そのものが判断材料になります。分かる人にだけ分かる形が正しい。
練習風景を、そのまま出す
これがいちばん効きます。誰が教えているか、何時からやっているか、営業時間内か後か。美容の求職者が最も知りたく、最も不安に思っている情報です。
仕上がりの写真は、お客様に向けたものです。
工程と練習風景は、これから来る人に向けたものです。

「指名がつく人」を採るために

採用の目的が「人数」ではなく「指名がつく人」であるなら、発信の設計は変わります。

指名がつく層に届けるための条件
  • 技術の水準が、工程で伝わる状態になっているか
  • 在籍スタッフの技術が個人アカウントで見える状態になっているか(禁止していないか)
  • 指名の扱い(歩合の仕組み)が図で説明されているか
  • そのサロンの得意分野が1つに絞られているか
  • 教育の担当者が誰か、名前で分かるか

2番目を禁止しているサロンは損をしています。スタッフの個人アカウントは、サロンの技術を証明する最強の材料です。 顧客の写り込みと未公表情報の2点だけ禁止して、あとは自由にするほうが採用に効きます。

給与は「金額」ではなく「仕組み」を出す

「歩合あり」だけでは判断できません。求職者が知りたいのは積み上がり方です。

開示する項目 書き方
基本給とインセンティブの比率 図で示す(金額は範囲でよい)
指名の扱い 何件から、どう反映されるか
店販の扱い 反映するのか、しないのか
アシスタント期間中の扱い 練習時間は労働時間に含まれるか
昇給の判断 誰が、何を見て決めるか

4番目は必ず明記してください。 ここが曖昧なままだと、入社後に最も揉めます。そして揉めた話は、退職者の言葉として外に出ます。

まとめ

  • 免許保有者の56.4%が美容師として働いていない。ここが第二の母集団
  • 復職層には求人媒体が届かない。SNSとスタッフの発信で届く
  • 復職層の判断材料は技術ではなく、条件面の実際(時短・終業時刻・休み)
  • 美容は顔出しなしで成立する。手元・工程・練習風景で語る
  • 求職者は仕上がりより工程を見ている
  • スタッフの個人アカウントを禁止しない。技術の証明になる
  • 給与は金額より仕組みを出す。とくに練習時間の扱い

良く見せないことの効果は、関連記事にまとめています。

よくある質問

美容室の採用で、新卒と中途どちらを優先すべきですか。
サロンの状態によりますが、免許保有者の56.4%が美容師として就業していない構造を踏まえると、復職層(休眠層)への接触は費用対効果が高いです。新卒は採用競争が激しく、加えて3年未満で42.5%が離職するため、育成コストの回収が難しい場合があります。復職層は技術があり、離職理由が解消されていれば戻ります。
休眠美容師にはどう届けるのですか。
求人媒体ではほとんど届きません。転職活動をしていないため、探していないからです。届くのはSNSのおすすめ表示と、在籍スタッフの個人アカウントです。伝える内容も違います。技術の話より「以前辞めた理由が、うちでは解消されているか」が判断材料になります。時短勤務、練習時間の扱い、営業時間、託児の可否などです。
顔を出せるスタッフがいません。SNS採用はできますか。
できます。美容は手元と仕上がりで成立する数少ない業種です。カット中の手の動き、薬剤の扱い、仕上げの工程。これらは顔を映さずに撮れて、しかも技術志向の求職者に最も強く届きます。顔出しに頼った発信より、こちらのほうが「指名がつく人」に届きます。
給与や歩合の仕組みは公開すべきですか。
金額ではなく仕組みを公開してください。「歩合あり」だけでは判断できません。何がどう積み上がるのか(指名の扱い、店販の扱い、アシスタント期間中の扱い)を図で示すと、応募の質が変わります。金額の具体は面接で伝えてかまいませんが、仕組みが不明なままだと、待遇に納得しないまま入社し、早期に辞めます。
Sources 出典
  1. 美容師の就業率43.6%・休眠美容師率56.4%・新卒3年未満離職42.5%(リクルート/PR TIMES) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003196.000011414.html
  2. 美容業界の人材不足と採用・定着(ビュートピア) https://www.beautopia.jp/209015/(二次情報)
  3. 美容サロンの離職・復職に関する調査(ホットペッパービューティーアカデミー) https://hba.beauty.hotpepper.jp/search/column/c_career/47523/
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