辞退は評価で負けていません。連絡の速さで抜かれています

LINEで母集団は作れません。効くのは応募したあとです。そしていま、選考は評価より先に「連絡の速さ」で決まっています。

Key figure
49.8% 内定辞退の理由でもっとも多いのが「より志望度の高い企業から内定を得たため」49.8%。評価の問題である以前に、順番の問題。
出典:出典1(二次経由の引用)
こんな状態なら、この記事です
  • 返事を用意している間に、他社の内定が出て辞退された
  • 応募者からの連絡が途中で止まり、そのまま音信不通になった
  • 担当者が自分の個人LINEでやり取りしている

1つ目と2つ目は連絡の形、3つ目は経路の設計で防げます。

01
LINEを採用のどの段階で使うべきかが決まる
02
そのまま使える連絡文の型が手に入る
03
個人LINEを使ってはいけない理由が説明できるようになる
結論だけ先に

LINEの利用率は85.8%と高いが、業界研究に使われる割合は11.3%にとどまる。つまりLINEは会社を知る場所ではなく、応募後に連絡する場所だ。内定辞退者が5割以上にのぼった企業は41.5%に達しており、辞退理由の最多は「より志望度の高い企業から内定を得たため」で49.8%。これは連絡の速さで順位が入れ替わる領域だ。24時間以内の一次返信と、次の予定を必ず明示する運用で辞退は下がる。ただし社員の個人LINEは使ってはいけない。

  • LINEは母集団形成に効かない。応募後の連絡に限定して使う
  • 辞退の最多理由は他社の内定。連絡が遅い会社から順に外れる
  • 一次返信は24時間以内。返答できなくても「いつ返すか」を返す
  • 個人LINEは使わない。公私の境界と証跡が消える

LINEを採用に使う話になると、まず「友だち追加を増やして母集団を作る」という提案が出てきます。

これはほぼ効きません。 LINEの利用率は85.8%あるのに、業界研究に使われる割合は11.3%です。ほぼ全員が使っているのに、会社を調べるためには使われていません。

LINEが効くのは、応募したあとです。そしてそこでは、他のどの手段より強く効きます。

理由は、いま選考で起きていることを見れば分かります。

いま、選考は連絡の速さで負ける

内定辞退の状況を見ます。

内定辞退の最多理由は「より志望度の高い企業から内定を得たため」49.8%
他社から内定49.8%
辞退5割超の企業41.5%

辞退者が5割以上にのぼった企業は41.5%。

出典1・二次経由の引用

「より志望度の高い企業から内定を得たため」が最多ということは、辞退は評価の問題である以前に順番の問題だということです。

要点

同じ評価の2社が並んだとき、先に手続きが進んだ会社が残ります。連絡が3日空く会社は、その3日のあいだに他社で選考が1段進みます。連絡の速さは、志望度をひっくり返せる唯一の変数です。

守るのは2つだけ

連絡の回数を増やす必要はありません。むしろ増やしすぎると圧迫感になり、それ自体が辞退の理由になります。

一次返信は24時間以内。内容が決まっていなくても返す
「確認して◯日までにご連絡します」で十分です。返す内容がないから待たせる、が最も損をします。応募者にとっては、返事がないことと落ちたことの区別がつきません。
毎回、次に何がいつ起きるかを書く
「面接は以上です」で終わらせない。「結果は◯日までに、この方法でご連絡します。次は△△です」まで書きます。先が見えていると、他社の内定が出ても待てるようになります。

そのまま使える連絡文の型

◯◯さん、本日はありがとうございました。
【今日の内容】一次面接(担当:△△)
【次の予定】選考結果を ◯月◯日(◯)までに、このLINEでご連絡します。
【次の段階】通過の場合は、現場見学(60分・平日/土曜も可)です。
【質問窓口】ご不明点は、このLINEに直接送ってください。△△が返信します(平日10〜18時)。 選考連絡の型

要素は4つです。今日の内容・次の予定(日付入り)・次の段階・質問窓口(実名)。 このうち日付と実名が効きます。「後日」「担当者より」では、応募者は待てません。

注意

質問窓口を「採用担当まで」と書くと、質問は来ません。実名にしてください。応募者にとって、名前のない相手に質問するのは想像以上に負荷が高い行為です。ここで聞けなかった疑問が、そのまま辞退の理由になります。

ほぼ全員が使っているのに、会社を調べるには使われていない
LINEの利用率(Z世代)85.8%
「業界研究」にLINEを使う割合11.3%

だからLINEで母集団は作れません。応募したあとの連絡に限定して使ってください。

出典3・4

社員の個人LINEを使ってはいけない

現場に近い採用では、担当者が自分のLINEでやり取りしてしまうことがあります。速いので、善意で起きます。それでも使ってはいけません。

起きること 影響
担当者の私的な連絡先が応募者に残る 退職後・不採用後も連絡が可能な状態が続く
やり取りの記録が会社に残らない トラブル時に何を伝えたか確認できない
担当者の退職で経路が消える 選考中の応募者との連絡が途切れる
夜間・休日にやり取りが発生する 双方の負担。労務上の問題にもなる
距離が近づきすぎる 不採用時の関係悪化、ハラスメントの疑いの温床

公式アカウントか、採用管理ツール経由にしてください。速さは運用ルールで作るもので、私的な連絡先で作るものではありません。

経路 記録が会社に残るか 担当者が辞めたとき 費用 速さ
LINE公式アカウント 残る 引き継げる 無料枠あり 速い
採用管理ツール経由 残る(選考履歴と紐づく) 引き継げる 月額が発生 やや遅い
担当者の個人LINE 残らない 経路が消える 0円 最も速い

「0円で最も速い」ものが、いちばん高くつきます。 記録が残らない状態でトラブルが起きると、何を伝えたか確認できません。

辞退しやすくすると、辞退が減る

最後に、直感に反する話をひとつ。

「辞退の連絡は、このLINEに一言だけで大丈夫です」と先に伝えてください。
言いにくさを取り除くと、辞退は減ります。

辞退を言い出しにくい状態にすると、応募者は連絡を避け、返信が止まり、結果として辞退が音信不通という形で起きます。 そのあいだ会社は枠を埋められません。

先に「一言で大丈夫」と伝えておくと、迷っている段階で相談が来るようになります。相談の段階なら、まだ引き止められます。

選考中の連絡でやらないこと
  • 1日に2回以上送る(催促と受け取られる)
  • 21時以降・休日に送る(予約送信を使う)
  • 絵文字とスタンプで距離を詰める(会社としての連絡である前提を崩さない)
  • 自動応答だけで完結させる(質問に答えられないと信用を失う)
  • 不採用の連絡を送らない(沈黙で伝えるのは最も評判を落とす)

まとめ

  • LINEは母集団形成に効かない(業界研究での利用は11.3%)
  • 効くのは応募後。辞退の最多理由は他社の内定=順番の勝負
  • 一次返信は24時間以内。内容が未定でも「いつ返すか」を返す
  • 毎回、次の予定を日付で書く。質問窓口は実名にする
  • 社員の個人LINEは使わない。記録も境界も残らない
  • 「辞退は一言で大丈夫」を先に伝えると、辞退が減る

辞退防止の全体設計は、関連記事にまとめています。

よくある質問

LINEで応募者を集められますか。
ほとんど期待できません。LINEの利用率は85.8%と高いものの、業界研究に使われるのは11.3%です。会社を知る・調べる場所としては機能していません。LINEを採用に使うなら、応募後の連絡と選考中のやり取りに限定してください。ここでは他のどの手段より強く効きます。
選考の連絡は何時間以内に返すべきですか。
一次返信は24時間以内です。内容が確定していなくてもかまいません。「◯日までにご連絡します」と返すだけで十分です。辞退の最多理由は他社からの内定であり、これは順番の勝負です。返答が遅い会社から順に候補から外れます。
社員の個人LINEでやり取りしてもいいですか。
使わないでください。理由は3つあります。①担当者の私的な連絡先が応募者に残る。②やり取りの記録が会社に残らないため、トラブル時に確認できない。③担当者が退職すると連絡経路が消える。加えて、夜間や休日にやり取りが発生しやすく、双方の負担になります。公式アカウントか採用管理ツール経由にしてください。
辞退を防ぐために、連絡を増やすべきですか。
回数ではなく形です。連絡が多すぎると圧迫感になり、それ自体が辞退の理由になります。守るのは「一次返信24時間以内」と「毎回、次に何がいつ起きるかを書く」の2点です。この2点があれば、連絡の総数は少なくてかまいません。
Sources 出典
  1. 内定(内々定)辞退率の動向と辞退理由(マイナビキャリアリサーチLab) https://career-research.mynavi.jp/column/20260316_108862/
  2. 就活生意識調査(No Company/PR TIMES) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000049.000089446.html(二次情報。月給ラインと面接官の態度に関する調査)
  3. Z世代のSNS利用率(サイバーエージェント次世代生活研究所) https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=32772
  4. 業界研究に使うSNSの利用率(トガル株式会社) https://togaru.co.jp/contents/2662/
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