会社、仕事の現場、社員の対話を映す3枚の映像が、オレンジの線でつながる

作るのは3本だけ。しかも数年効きます── 採用のYouTube

会社紹介・1日の流れ・社員の話。最初の3本を、長く使える判断材料に。

更新 2026.10.26読了目安 約8分

この記事の結論30秒で分かります

  • 業界研究に使ったSNSの調査では、YouTubeは27.4%。1位はXの38.7%です。
  • 採用では、毎週の投稿より、社名検索や面接前に確かめられる動画をそろえます。
  • 最初の3本は、会社紹介・1日の流れ・社員の話。尺は2〜5分を企画の目安にします。
  • 撮影では音を優先し、長尺を先に作ってからショートへ展開します。
  • 家族への説明にも共有できます。長く使うために、内容を定期的に見直します。

求職者が確かめる場所に、動画を置く。

採用SNSの話題では、TikTokやInstagramに目が向きがちです。一方、YouTubeも求職者の業界研究に使われています。

トガル株式会社の調査では、業界研究のために使ったSNSとして、YouTubeは27.4%。TikTokの11.3%と比べると約2.4倍です。ただし、SNS全体の1位はXの38.7%で、YouTubeが最多という結果ではありません。

「業界研究」に使ったSNS割合(%)/共通の目盛り:0〜40%
X38.7%
YouTube27.4%
Instagram25.5%
TikTok11.3%
LINE11.3%

出典:トガル株式会社「Z世代がSNSを活用して行う就職活動に関する調査」Q3。2024年1月、東京・愛知・大阪に住む22〜23歳の学生101人を対象。2024年4月23日公表。すべての求職者を代表する数字ではありません。

「本格的な映像を作らなければ」と考えると、着手しづらくなります。この記事で提案するのは、まず3本を作り切ること。会社と仕事の基本を伝える動画をそろえ、情報が変わったら見直す。数年にわたる活用を目指すための考え方です。

暗い書庫の棚に、時間を越えて見返す映像が保管されている
01

投稿した後も、
確かめられる資産に。

社名検索、面接前、内定後。
あとから見に来る人に備えます。

YouTubeは拡散より、ストックと検索

採用で何を任せるかという観点で、各SNSの役割を整理します。どの媒体にも検索・拡散・蓄積の機能がありますが、すべてに同じ運用を当てはめる必要はありません。

採用での主な役割の整理(CARASUの提案)
媒体重視する性質役割
TikTok拡散。まだ探していない人にも届く接点知ってもらう
Instagram検索と確認。プロフィールや投稿から会社を調べる調べられる
YouTubeストックと検索。過去の動画も判断材料になる詳しく確かめられる

動画を見る機会は、投稿当日に限りません。社名で検索するとき、面接の前日に会社を確かめるとき、内定後に家族へ説明するとき。必要になった人が、あとから見つけられることに意味があります。

毎週投稿する前提から、いったん離れる。

採用の基本情報を伝える目的なら、まず3本をそろえることを優先します。投稿頻度を増やすより、採用ページや選考案内から見つけられる導線と、情報の正確さを保ちます。

長く使えるかは内容次第です。仕事内容や制度が変わったら、その都度修正が必要です。「一度作れば放置できる」ではなく、見直しながら使い続ける動画を目指します。

会社紹介、現場の仕事、社員の対話という3種類の撮影場面が並ぶ
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会社。1日。人。
最初は、この3本。

求職者が知りたいことから、
撮る内容と順番を決めます。

1. 会社紹介(2〜3分)

何をしている会社か、誰に何を提供しているか、これからどこへ向かうか。会社の将来を判断できる情報を入れます。3年後に目指す姿を、経営者本人の言葉で伝えてください。整ったナレーションだけに頼らず、本人の声で考えを届けます。

2. 1日の流れ(3〜5分)

出勤から退勤まで、実際の時間の流れで見せます。休憩や移動、片付けも含めてください。良い場面だけをつなぐと、入社後の実態とのずれを生みかねません。求職者が知りたいのは、自分の1日がどうなるかです。

3. 社員の話(3〜5分・2〜3名)

入社1年目、3年目、管理職など、異なる段階の社員の話を1本にまとめます。仕事を覚える過程と、その先の役割が見える構成です。1人あたり1分半程度を目安に、話の重複を整理します。台本ではなく質問を事前に渡し、自分の言葉で答えてもらいます。

募集要項の細かな条件と動画の役割を分けると、動画を使い回しやすくなります。ただし、年に1回を目安に3本すべてを確認し、出演者の在籍状況、仕事内容、経営方針が変わっていないかを点検してください。社員の話は特に更新候補になります。

イメージ映像は、判断材料がそろってから。

音楽に合わせて綺麗な職場の映像をつなぐだけでは、仕事内容や働く人について説明しきれません。雰囲気を伝える映像にも役割はありますが、まずは求職者の疑問に答える3本を優先します。

3本

最初にそろえる動画
会社紹介・1日の流れ・社員の話

2〜5分

1本の尺の目安
必要な情報に合わせて調整

5〜10本

ショートへの展開案の目安
素材量と話題数に応じて判断

いずれもCARASUの企画上の目安です。最適な尺や切り出せる本数、採用効果を保証する数値ではありません。

外付けマイクを手前に、三脚で固定したスマートフォンを置いた撮影環境
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まず、声が
きちんと届くこと。

映像を作り込む前に、
録音した音を確かめます。

撮り方の要点は「音」

自社で撮るなら、画質の作り込みよりも先に、話の内容が明瞭に聞こえるかを確認します。声が聞き取りにくいと、会社を知るための情報が届きません。

  • 外付けマイクを使う。スマートフォンの内蔵マイクは周囲の音も拾うため、短く試し撮りして聞き比べます。
  • 空調・冷蔵庫・厨房機器などの騒音を避ける。静かな場所や時間を選び、業務や安全上の問題なく止められる機器だけ、担当者に確認して対応します。
  • 三脚で固定する。インタビューでは手持ちの揺れを抑え、話に集中できる画面にします。
  • 窓を背にしない。逆光で顔が暗くならない位置を選びます。
  • 1カット30秒以上を目安に撮る。編集で前後を切れる余裕を残します。
  • 質問は事前に、回答は本人の言葉で。文章の読み上げだけにならないよう、会話で具体的な経験を引き出します。

「1日の流れ」と「社員の話」は、スマートフォン・三脚・外付けマイクで着手できます。会社紹介は、会社の第一印象を担う1本として、企画や編集を外注する選択肢もあります。

横長の映像素材から、複数の縦長ショート動画へ枝分かれする様子
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長尺で確かめる。
ショートで知る。

先に、詳しく知りたい人の
行き先を用意します。

ショートとの分担

YouTubeにもショートがあります。採用では、まず役割を分けて設計します。長尺で詳しく説明し、ショートはその入口にする考え方です。

採用での使い分け(CARASUの提案)
長尺=詳しく確かめるショート=知る入口を作る
社名検索などで関心を持った人へ説明するまだ会社を知らない人との接点を作る
面接前・内定後に見返す材料にする長尺から話題ごとに切り出す
家族へ会社や仕事を説明するときにも共有する詳しい説明は長尺や採用ページへつなぐ
情報を見直しながら長く使う反応を見て入口の見せ方を調整する

作るのは長尺が先です。ショートで興味を持っても、会社や仕事を確かめる場所がなければ、その先の理解につながりません。

長尺を撮る段階で、仕事の場面や社員の回答を複数残しておくと、ショートにも展開できます。1本から5〜10本の企画を検討する場合も、素材量と話題数が前提です。本数のために同じ内容を細切れにせず、1本ごとに意味が通る部分を選びます。

短い断片だけを後からつないでも、必要な説明がそろうとは限りません。最初に全体を設計して撮るほうが、両方に展開しやすくなります。

若い求職者と家族が、食卓でパソコンの職場紹介動画を一緒に見ている
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家族との会話にも、
会社の姿を届ける。

内定後の判断に使える材料を、
共有しやすいURLで渡します。

「家族に見せられる」という価値

内定を受けるかどうかを、家庭で相談する人もいます。初めての就職や転居を伴う就職では、仕事内容だけでなく、どんな場所で誰と働くのかを家族にも説明したくなることがあります。

その会話に、URLで共有できる会社紹介動画を届けます。短い動画で仕事や人の様子が分かれば、言葉だけでは説明しづらい雰囲気を補えます。

求人票や採用ページとともに、内定通知や案内メールに動画のURLを添える。家族が知りたいことを整理する助けにもなる使い方です。動画の共有はYouTubeだけの機能ではありませんが、YouTube上の動画もその材料として活用できます。

動画を送れば辞退が減る、と一律には言えません。視聴後に残った疑問を聞き、働き方や条件を個別に説明するところまで含めて、内定後の不安に向き合います。

まとめ

  • 調査でのYouTube利用率は27.4%。TikTokの約2.4倍ですが、1位はXです。調査対象と時期を添えて読みます。
  • 採用動画は、投稿後にも探して見られる判断材料。毎週の投稿より、基本情報と見つけやすさを優先します。
  • 最初は3本。会社紹介・1日の流れ・社員の話をそろえます。
  • 自社撮影では音を優先し、働く実態と本人の言葉を伝えます。
  • 長尺を先に用意し、素材からショートを切り出します。
  • 内定後の家族への説明にも共有し、古くなった情報は更新します。

他の媒体との役割分担は、TikTok採用の向き不向きと始め方へ。予算の社内説明には、採用施策の稟議の作り方も参考にしてください。

出典・参考資料

  1. トガル株式会社「Z世代がSNSを活用して行う就職活動に関する調査」(2024年4月23日公表。調査:2024年1月、東京・愛知・大阪の22〜23歳の学生101人。本文・グラフはQ3を参照)
  2. サイバーエージェント次世代生活研究所「2025年Z世代のSNS利用率」(一般的なSNS利用に関する参考資料。本文の業界研究利用率とは別の調査)
  3. VIDEO SQUARE「採用動画の費用相場」(制作会社Crevoが運営するメディアの参考情報。この記事では費用相場の数値を採用していません)

資料確認日:2026年10月23日。動画の本数・尺・撮影方法はCARASUの企画上の提案です。

よくある質問

YouTubeは応募につながりますか。

直接の応募獲得だけでなく、面接前の理解や、応募後・内定後の不安を減らす材料として使います。社名で検索した人に働く様子や人の雰囲気を伝えれば、面接でより具体的な会話をする助けになります。家族への説明にも共有できます。ただし、動画を置くだけで応募増加や辞退減少が保証されるわけではありません。

何本作ればいいですか。

まずは3本を提案します。「会社紹介(2〜3分)」「1日の流れ(3〜5分)」「社員の話(3〜5分・複数人)」です。本数を増やす前に、この3本で求職者の疑問に答えられるかを確かめてください。毎週の更新を前提にせず、年1回を目安に全編を点検し、仕事内容・制度・出演者の状況が変わった部分は随時更新します。

ショート動画と長尺はどちらを作るべきですか。

採用での役割を分けて考えます。ショートは知らない人に知らせる入口、長尺は興味を持った人が詳しく確かめる材料です。まず長尺を用意し、その内容からショートを切り出します。ショートで興味を持った人が、会社や仕事を確かめられる動画へ進めるようにします。

自社で撮れますか。外注すべきですか。

1日の流れと社員の話は、スマートフォン・三脚・外付けマイクを使って自社で撮る方法があります。映像の作り込みより、まず声が明瞭に聞こえるかを確認します。会社の第一印象を担う会社紹介は、社内の制作体制に応じて外注を検討してください。外注の範囲は、撮影・編集・音声の調整など必要な工程から決めます。